本研究は、理論体系として確立した科学ではなく、科学的な知が成立するプロセスの内側へと踏み込むことで、諸科学が教育をめぐって相互に絡み合っていくその様相を検討し、科学と教育(学)の境界領域に立ち上がる「教育的なるもの」を描くことを目的として取り組まれた。その際、特定の科学的言説や理論の確認だけで閉じることなく、科学・技術と教育との絡まり合いをミクロな実践から明らかにすることを本研究の研究上の特色として上げることができる。それは具体的には、「授乳」、「おもちゃ遊び」、「幼年期」という、教育学にとって重要な実践や概念の生成を辿る作業である。
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