本研究の目的は、「学校ごっこ」実践の分析と理論的検討を通して、保育所・幼稚園における就学に向けた遊び中心の保育内容の可能性を明らかにすることである。本研究では就学を学校文化への参入プロセスとしてとらえる。そして、「学校ごっこ」実践は、その参入過程を保育園での遊びを通して擬似的に体験することを意味する。このような経験は、「小一プロブレム」の対策として実施するものではなく、新しい文化への参入にともない「小学生としての自分」を考える契機となることをねらったものである。本研究を通して、移行期の子どもたちの遊びと学びの意味を再考することとなった。
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