乳児の発達状況によって母親の果たす役割は異なる。乳児が自力で移動することができない発達段階にあっては乳児が周りを見渡せるような抱き方をする、乳児の気に入りそうな玩具を示す、乳児の視線をとらえて関心のある方向を見せたり遊具を持ってくるなどの働きかけを行う。はいはいが可能になると安全な環境かつくつろいだ雰囲気の下では乳児自身の探索行動を妨げず見守ることが多い。1歳半頃からは友達への関心を引き出すことがみられる。しかし、その行動は母親自身の他児への関心の度合い、社会的技能、母親間の人間関係などの要因が影響する。さらに、親子が過ごす物的・人的環境の要因も影響があることが示唆された。
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