研究課題/領域番号 |
24653237
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
志村 廣明 中部大学, 全学共通教育部, 教授 (60141446)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 大正自由教育 / 学校の教育空間 / 子ども・教師の参画 |
研究概要 |
平成24年度においては、かつて大正自由教育をリードした明星学園(東京都三鷹市)と玉川学園(東京都町田市)を訪問し、1920~1930年代における教育空間に関する資料を中心に学校所蔵資料の閲覧・複写を行った。両校のご厚意により、貴重な資料を入手できた。また、国立国会図書館と東京公文書館を訪問し、「学校建築・施設」、「大正自由教育」、「欧米教育視察」に関連する著書・論文並びに文化学院、明星学園、玉川学園が1920~1930年代に東京府に提出した設立申請書(学校の図面も含む。)の閲覧・複写を行った。それに加え、東京都内の古書店を訪れ澤柳政太郎ほか『現代欧米教育大観』・山枡儀重『欧米革新教育の実際』をはじめとする教師の「欧米教育視察」等に関する古書を購入した。 しかし、当初計画していたことのうち、実施できない事項もあった。平成24年度の反省点を示すと、以下のとおりである。 1、当初文化学院(東京都千代田区)の学校所蔵資料の閲覧・複写を計画していたが、資料調査をお願いする依頼状に対する同学院からの回答を頂戴できなかったので、調査を実施できなかった。(平成25年度に、改めて学校所蔵資料の調査をお願いする予定である。) 2、当初計画していた大学図書館における「学校建築・施設」、「大正自由教育」、「欧米教育視察」に関連する図書・雑誌論文の調査も十分できなかった。 平成24年度に実施できなかったことを、平成25年度の研究活動において取り戻すよう努力したいと思う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要で述べたように、平成24年度においては文化学院の学校所蔵調査を実施できなかったことに加え、大学図書館における「学校建築・施設」、「大正自由教育」、「欧米教育視察」に関する資料調査も十分実施できなかった。しかし、その他の調査については、ほぼ計画通りに実施できたので、おおむね順調に進展していると考える。平成25年度の研究活動において、平成24年度に実施できなかった事項については、十分取り戻せると思う。
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今後の研究の推進方策 |
「大正自由教育における子ども・教師の参画による学校の教育空間の設計」というテーマのもとに、平成24年度に収集した資料を活用して、子ども・教師の参画による学校の教育空間の設計の具体像の分析に力を尽くしたい。それと並行して、平成25・26年度においても資料収集を行い、本研究の仮説を実証できるようなデータを補充できるよう努力したい。本研究の分析の視角は、以下の3点である。 (1)、子ども・教師の参画による学校の教育空間の創造を可能ならしめた条件は何であったのか。 (2)、それは、欧米の学校建築を視野に入れたものであるのか。 (3)、今日の日本における教育空間を改善することにつながる理論・実践はあったのか。 当初予定していた文化学院に対し学校所蔵資料の調査を再度お願いするが、それが不可能な場合も想定されるので、成蹊学園、自由学園等の私立学校も本研究の調査の対象に加えたいと思う。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度の研究計画にもとづき、研究費の使用計画について記す。使用できる額は、500000円(平成25年度交付額)と昨年度の繰越額(298009円)合わせて798009円である。 費目別収支状況等の「次年度使用額(B-A)」欄に「298009」と表示され、平成25年度に研究費が繰り越されたのは、資料調査を依頼した学校から調査の許諾を頂けなかったことと、ある学会の課題研究の発表の準備に時間がとられ、それに加え発表後に風邪をこじらせ約1か月程体調を崩したこと等が主な理由である。主として、私自身の見通しの甘さが原因である。 平成24年度と同様、東京都内の国立国会図書館、東京都公文書館、文化学院をはじめとする私立学校並びに古書店等の調査が中心となるため、出張旅費、古書の購入費(設備備品費)および複写料金(その他)が必要となる。 出張旅費については、東京日帰り調査を想定し交通費・日当合わせて一回25000円とし、10回程度のの調査を計画しているので、250000円を計上する。次に、古書の購入費については、古書1冊約10000円と見積もり、30冊程度購入したいと考えている。したがって、古書購入費を、300000円計上する。さらに、複写費としては、残りの248009円を計上する。
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