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2012 年度 実施状況報告書

視覚障害者の職業教育に使用される教科書のエビデンスの構築

研究課題

研究課題/領域番号 24653243
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関筑波技術大学

研究代表者

緒方 昭広  筑波技術大学, 保健科学部, 教授 (80516708)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワード視覚障害者 / 手技療法 / 教科書 / エビデンス
研究概要

研究の目的:視覚障害者の職域は限られている。その限定された中で職域全体の50%は、あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう業に依存している。あん摩マッサージ指圧(以下「手技療法」とする)に限れば、テキストの内容から有効性を裏付けるエビデンスの構築が皆無に近い。このことが現在の限定された職域を広げることの大きな制約となっていると考えられる。そこで、研究代表者は、膨大な未解決分野の一端を明らかにすべくそのエビデンス構築に向けて実験研究を始めることとした。
研究計画:今回は手技療法が自律神経機能に与える影響について検討を行った。
研究対象は健常成人男性ボランティア10名(年齢22±2.9歳)とした。今回はパイロットとしてその反応性を検討した。研究デザインは、自律神経機能の評価に用いた指標として、①心拍変動解析システムMemCalc/Bonaly Light(GMS社)、②バイタルモニタープロコンポ、③レーザードップラー血流で、手指第2指の血流反応を計測した。測定は同一被験者を無刺激とあん摩施術を実施した施術群に分けて計2回測定を行った。介入刺激は手技療法のあん摩施術を被験者の前腕前面および後面に計6分間行った。施術後30分の安静をとった。心電図R-R間隔の変動を連続的に記録し、低周波(以下「LF」とする)/高周波(以下「HF」とする)比を心臓交感神経活動、HFを心臓副交感神経活動の指標として分析検討を行った。。
結果・考察:今回の実験では、前腕部へのあん摩施術中の心拍変動スペクトル解析によって、LF/HFの減少が観察され神蔵交感神経機能の抑制が観察された。 一方心臓副交感神経機能の指標であるHF成分には有意な変化が認められなかった。血流反応についてはさらなる実験と分析が必要なことが結果より判明した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究代表者は、手技療法ことにあん摩マッサージ指圧理論の教科書に於いて、エビデンスが多く不足していることを解決するため、その生体作用機転の一端を明らかにすることに
着手した。
平成24年度の当初計画では、あん摩施術の刺激部位を、上肢刺激、下肢刺激として実施することとした。上肢刺激(無刺激群との差異も含め検討)でのデータ収集、解析は心自律神経反応、末梢血流反応の分析は行うことができたが、下肢刺激についての血管については、例数が少なくまとめる段階には至らなかった。よって、平成25年度では、下肢刺激の追加実験と、頸部刺激を新たに行い、同様の指標をもとに分析を加えたい。

今後の研究の推進方策

平成24年度の実験から、浮き彫りになった課題こととして、脳血流反応及び末梢の血流反応にバラツキが多く、一定の結果を導くことができなかった。平成25年度は、被験者の各パラメータの測定に於いて、厳密に測定時間を設定すると共に、片側のあん摩施術部位から両側の前腕部あん摩施術、さらに下肢施術(刺激群)を実施し、部位差の検討と共に血流反応を同時に解析する。また刺激(施術)時間が短かったことが考えられるので、時間を10分に延長して実験を実施する予定である。

次年度の研究費の使用計画

平成24年度残額は、当該年度の実験における予定被験者数に達せず、謝礼の残額を生じた。平成25年度の分も併せて、以下のように支出する。
平成25年度使用総額:550(千円)
謝礼:480
旅費:50

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 前腕部あん摩施術による精神性発汗及び心自律神経活動への影響

    • 著者名/発表者名
      緒方昭広
    • 学会等名
      第65回 日本自律神経学会総会プログラム・抄録集
    • 発表場所
      都市センターホテル(東京都)

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公開日: 2014-07-24  

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