研究課題/領域番号 |
24653244
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
小澤 弘明 千葉大学, 人文社会科学研究科(系), 教授 (20211823)
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研究分担者 |
舟島 なをみ 千葉大学, 看護学研究科, 教授 (00229098)
前田 早苗 千葉大学, 普遍教育センター, 教授 (40360739)
白川 優治 千葉大学, 普遍教育センター, 助教 (50434254)
山内 正平 千葉大学, 普遍教育センター, 教授 (60092110)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 教養教育 / 高等教育論 / 教育開発 |
研究概要 |
本研究は、現代日本の大学において国際的通用性を有する学士課程教育を創設するために、教養教育の新しい教育モデルを提示することを目的としている。これを達成するために、①日本の大学の教養教育に関する課題の再整理(以下、「①課題再整理」)、②高年次における教養教育を含めた教養教育の再定置(「②教養教育の再定置」)、③安定的な教養教育の運営機構と教科提供システムの探索(「③安定的運営システムの探索」)、④学部をこえた共通性と専門教育との接続の検証(「④共通性と専門接続性の在り方の検証」)、⑤学士課程に要求される教養教育の教育目的・内容等の国際動向の探索(「⑤国際動向の把握」)という研究課題を設定している。 平成24年度は、これらの研究課題のうち、「①課題再整理」、「②教養教育の再定置」、「⑤国際動向の把握」に取り組んだ。「①課題再整理」、「②教養教育の再定置」を通じて、大学入試や高大接続の観点からみた教養教育の在り方、副専攻プログラムなど他の専門外教育課程と教養教育の関係の在り方、大学院課程を含めた高年次学生に対する教養教育の在り方を教養教育をめぐる新しい現代的課題として整理した。これを踏まえて、「⑤国際動向把握調査」として、高大接続や副専攻と教養教育の関係を検討するための資料収集を目的に、2012年9月に、欧州の国立・私立大学への訪問調査を行い、大学院修士課程での教養教育の在り方や、教養教育の質保証の在り方を検討するため資料収集を目的に、2013年3月に、アメリカの州立大学大学院等への訪問調査を実施した。これらの調査は、翌年度に実施を計画している国内各大学への質問紙調査項目策定に活かしていく計画である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、現代日本の大学において国際的通用性を有する学士課程教育を創設するために、教養教育の新しい教育モデルを提示することを目的に、教養教育における「①課題再整理」、「②教養教育の再定置」)、「③安定的運営システムの探索」、「④共通性と専門接続性の在り方の検証」、「⑤国際動向の把握」に取り組んでいる。 平成24年度は、当初の研究計画に沿って、「①課題再整理」、「②教養教育の再定置」、「⑤国際動向の把握」に取り組んだ。「①課題再整理」、「②教養教育の再定置」の研究作業を通じて設定した教養教育について検討すべき課題に対して、「⑤国際動向把握調査」を行った。「⑤国際動向把握調査」では、欧州の大学調査として、高大接続の観点や副専攻の在り方を含めて教養教育を検討するための資料収集を目的に、2012年9月に、中央ヨーロッパ大学(ハンガリー・ 私立)、ブダペシュト大学(ハンガリー・国立)、ウィーン大学(オーストリア・ 国立)等への訪問調査を実施した。また、2013年3月に、大学院修士課程での教養教育の在り方や、教養教育のの質保証の在り方を検討するため資料収集を目的に、アメリカのCalifornia State University Los Angels、California State University Long Beachの公共政策大学院への訪問調査を実施した。 これらの調査は、翌年度に実施を計画している国内各大学への質問紙調査項目策定に活かしていく計画であり、当初の研究計画はおおむね順調に進んでいると自己評価している。
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今後の研究の推進方策 |
研究の全体構想に対して、平成25年度は、教養教育の「③安定的運営システムの探索」、「④共通性と専門接続性の在り方の検証」の研究課題を中心に取り組む。そのための具体的な方法として、当初の計画通り、各大学における学士課程教育における教養教育の位置づけ、運営組織の構成、安定した科目提供のための工夫、科目構成、学部専門科目との関係、初年次教育・キャリア教育等の現代的教育課題への取り組みと教養教育との関連等について、全国四年制大学に尋ねる質問紙調査(以下、「全国質問紙調査」)を実施する。この調査結果に基づいて、教養教育の「③安定的運営システムの探索」「④共通性と専門接続性の在り方の検証」の研究課題に取り組む。また、「③安定的運営システムの探索」では、教養教育の授業改善システムを構築するための研究を進める。また、「全国質問紙調査」の結果に基づいて、「①課題再整理」、「②教養教育の再定置」として教養教育の企画・実施上の課題を再度検討し、注目すべき先進的取り組みを有する国内大学に対し「国内先進事例調査」としてさらに訪問調査を実施する。「⑤国際動向の把握」については、研究計画段階と実際の採択後の実際の配分研究費との相違を踏まえて、柔軟に対応することにする。
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次年度の研究費の使用計画 |
上記の「今後の推進方策」に沿って、本年度は、全国四年制大学に尋ねる質問紙調査(以下、「全国質問紙調査」)を実施する予定である。そのため、本調査に関する経費(通信費、印刷費、謝金等)が中心を占めることになる。 さらに、文献調査や訪問調査を進めるために物品費、旅費として経費を使用する。旅費を必要とする「国内先進事例調査」と「⑤国際動向の把握」については、「全国質問紙調査」を踏まえた必要経費の状況を見ながら、訪問地域や回数を調整して柔軟に対応することにする。 本研究では、配分された研究費が当初計画していた6割弱であったことから平成25年度に実施する全国質問紙調査等の必要経費を想定した上で、平成24年度は抑制的に研究費を利用することにしたこと、及び、当初計画していた海外調査について調査先との日程調整の結果、調査計画を縮小したことなどから、次年度使用額が生じることとなった。これらの次年度使用額の発生は、研究計画全体に影響するものではない。
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