研究課題/領域番号 |
24653251
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研究機関 | 鳴門教育大学 |
研究代表者 |
小野 由美子 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (20177273)
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研究分担者 |
中村 聡 広島大学, 教育・国際室, 研究員 (50524443)
前田 美子 大阪女学院大学, 国際・英語学部, 教授 (70454668)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 青年海外協力隊 / 異文化感受性発達モデル / 異文化体験 / 現職教員特別参加制度 / 国際理解 |
研究実績の概要 |
本研究は、教員自身が異文化環境に身を置くことで、異文化に対する見方がどのように変容するのかを探ることを目的とした。平成23年度、平成24年度に青年海外協力隊に参加した現職教員のうち、本調査に協力を承諾した者を対象に、派遣前から帰国後の約2年間にわたり、アンケート調査、現地での聞き取り調査などを行い、彼らの意識変容過程を分析した。分析枠組みとしてミルトン・ベネット(M. Bennett)によって開発された異文化感受性発達モデル(The Developmental Model of Intercultural Sensitivity: DMIS)を用いて、調査参加者が自文化とホスト国の文化差についてどう解釈しているのか、その変化を中心に調べた。
参加動機について尋ねたところ、「多様な社会経験をしたい・視野を広げる」といった回答が,教育現場への貢献・活用と拮抗して寄せられており,調査参加者たちの自己の内面の変化への期待は大きかったことが明らかになった。これは先行研究と一致する。
分析の結果、多くの教員が派遣前には自文化中心的段階にあること、また、現地の滞在時間の経過に伴って文化相対的段階へ移行するが、その過程は必ずしも直線的ではなく、発達段階の間を往還しながら変化していることがわかった。本研究で対象とした教員は、意識変容のパターンが一人ひとりユニークなものであり、協力隊としての活動終了におけるDMISの到達段階もさまざまであった。また、意識変容に影響を与える要因としてロールモデルの存在、語学の習得度、カウンターパートからの期待度などが考えられた。
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