平成25年度調査研究として、山口市内の3つの小学校5、6年生を対象に、draw-and-write プロジェクトを、「やや農村部」、「郊外」そして「街の中心」の3地域で実施した。秋に、アンケート調査と本学倫理委員会の同意書を各校へ配布し、トレーニング後の研究助手4名とインタビューを行った。送付アンケート300枚中、118名の児童と保護者から回答があり、調査参加許諾を得た。最終的に県内2地域(山陽小野田市と山口市)から159名のデータを得た。データ分析・考察は11月に始めた。まず統計的有効性、比較、分析のためエクセルに量的データを入力した。質的データ(絵やインタビュー)は、絵の内容、子どもたちの動機づけに関するコメントからうかがえたテーマ、逆境や困難を乗り越えるきっかけ、子どもが考える社会の子どもの役割認識の分析を行った。 同時期にイギリスの共同研究者が、大都市ロンドン、郊外、地方で同様の調査を行い、9校の学校、計120名の児童と保護者からアンケートとdraw-and- write インタビュー協力を得た。今年2月には4日間イギリスを訪問し、絵の分析方法などの共通理解・分析方法の基に量的データの比較分析を行った。帰国後は統計分析を行った。 時間不足のため、関心のある教員や保護者へのフォーカスグループは実施できず、非公式の議論に留まった。しかし、協力校と関心のある方たちには調査結果をまとめた要約を渡しており、今後は完成報告書で調査分析、見解をさらに明らかにする。 以上のデータ分析は特に子ども自身が判断した各主体性レベル固有の特徴について継続分析をし、最終報告で調査結果を論議する。
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