研究課題/領域番号 |
24653260
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研究機関 | 仙台高等専門学校 |
研究代表者 |
矢澤 睦 仙台高等専門学校, 総合科学系, 教授 (70259802)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 学校組織 / コーディネーション体制 |
研究概要 |
当該年度の本研究の実施計画として提示した内容は、1.開発済みの高専学生用の援助ニーズ尺度の適切化の検討、2.調査に用いる既存尺度の選択、3.対象校への調査協力依頼および一部調査の実施、の3点であった。 1.について、試行的に開発済みであった援助ニーズ尺度について、数回にわたり専門家との打ち合わせを重ね、改めて信頼性・妥当性を検討・確認した。本尺度は次年度の学生対象調査の主要部分を成す予定である。 2.について、開発した援助ニーズ尺度だけを用いて学生対象調査を行うことは、調査結果の分析において独善的な結論を招きかねないことから、数回にわたり専門家との打ち合わせを重ね、先行研究により信頼性と妥当性が検証されており、かつ、高専学生に対する調査に用いることが適切な既存尺度の選択を行った。その結果、当初候補としていた既存尺度ではなく、田村ら(2001)による「被援助指向性尺度」、または水野ら(2003)による「学校生活適応尺度」のどちらかを候補とした。次年度の早い時期にさらに専門家と打ち合わせを行い、尺度の決定および使用する尺度項目の選定を行う。 3.について、全国の国公私立高専に対して、調査の趣旨説明と調査への協力依頼を行った。コーディネーション体制の実態調査に関しては、全高専の学生相談室長、看護師、カウンセラーの三者に対して調査を依頼・実施し、80%以上の回答を回収した。学生の援助ニーズ調査に関しては、同じく全高専に調査の趣旨を説明し、調査対象校としての協力可否を打診した結果、全体の約3分の1に相当する約20校から調査に協力する旨の回答を得た。研究実施計画では、当該年度中に可能な範囲で学生対象調査も実施する予定だったが、調査時期を揃える方が正確なデータを得られることから、調査実施は次年度の同一時期に統一することとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
高等専門学校でコーディネーション体制がどのように認識あるいは配置されているか実態調査を行い、学生支援におけるコーディネーション体制構築の必要性を明らかにすることを目的とする本研究において、コーディネーション体制の実態調査をすでに実施しており、データの検討・分析を行う段階にある。 また、試行的に開発済みであった援助ニーズ尺度について、尺度の検討と調査対象の拡大、および並行して行う既存尺度による調査との比較検討を行うことを目的としているが、開発した尺度の検討は十分に行うことができており、既存尺度の選定もほぼ終わっている。調査対象の拡大についても、調査趣旨の説明および協力可否の打診を終えており、次年度に調査を実施する段階にある。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究においては、学生対象調査の実施およびデータの検討・分析が重要になる。まず、使用する既存尺度の決定を早急に行い、調査資材を準備する。データの検討・分析にかかる時間を勘案して、次年度の6月~7月に学生対象調査を実施する。 調査実施済である、学生相談室長、看護師、カウンセラーを対象としたコーディネーション体制の実態調査については、データの検討・分析を始めて、結果の公表を随時行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初想定していたよりも、学生対象調査の協力校が多くなることから、調査資材の追加購入に研究費の一部を充てる。また、調査資材の協力校への送付と返送の経費としても研究費を使用する。 使用する既存尺度の決定およびデータの検討・分析のために、次年度も専門家との打ち合わせが必要になる。また、結果の公表の一環として、要請に応じで調査協力校に赴き調査結果を還元することも想定される。これらを目的とした旅費として、研究費を使用する。
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