本研究では、神話教材の現代的意義を明確にするために、「世界の神話と比較する視点」・「現代神話を創造する読み」・「言語生活の観点から神話の比喩を読む」という三つの視点を提案した。 この視点から『古事記』冒頭の話の紙芝居を作成して実演し調査を行った。小・中学生の約割以上が「もっと知りたい」と答えた。発達段階に応じて、受容の仕方に共通点と相違点があった。そこから、神話は、小学校低学年に限定せず、中学生にも有効な教材であることがわかった。 学習者は、日本の神話から様々な神の概念を得ることができる。本研究は、戦前の神話観から脱却して、学習者の読みを主体とした現代の神話を構築する方向性を明らかにした。
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