研究課題/領域番号 |
24653268
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
小倉 康 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (50224192)
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キーワード | 小学校教員 / 苦手意識 / 理科指導 / モデル開発 |
研究概要 |
1.教員養成課程の学生と現職小学校教員のもつ理科への苦手意識とその背景を調査し,苦手意識の変化と固定の要因について分析した。その結果,必要な知識や技能の欠如を指導実践の中で補いながら苦手意識が軽減される過程や,効果的な教材教具の準備ができない状態が長期に継続するために苦手意識が固定化する過程などのパターンが明らかになった。これを元に教員カンファレンス(協議会)を行い,調査結果の質的分析を行った。 2.理科授業を成功させる知識群の13カテゴリーを元に,開発プログラムの授業展開上の示唆としてチェックリストを作成した。 3.1年目に引き続いて,現行学習指導要領での小学校3年から6年の多様な理科授業場面を事例として取り上げ,具体の内容に即して,「成功した理科授業」につながる要因を抽出した。内容は,3年「太陽と地面の様子」4年「空気と水の性質」「金属,水,空気と温度」5年「植物の発芽と成長」6年「てこの規則性」の授業場面を取り上げた。 4.苦手意識解消プログラムの初期モデルを,理科授業を成功させる知識群と,「成功した理科授業」につながる要因に基づいて作成した。今年度は,3年「磁石の極と性質」4年「ものの温まり方」「水のゆくえ」5年「振り子」「電磁石の強さ」6年「太陽と月の形」「電気とくらし」の内容を取り上げた。 5.苦手意識解消プログラムの初期モデルを,小学校教員養成課程の学生を対象に,試験実施し,評価情報を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
苦手意識解消プログラムの開発と実証試験にやや遅れが生じている。しかし一部のプログラムは教員養成段階の非理科専攻の学生を対象として試験実施し改善のための評価情報を得ており,3年目の研究には大きな支障のない範囲で進行している。
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今後の研究の推進方策 |
モデルプログラム開発(2年目)と,モデルプログラムの実証試験を進めるとともに,経験豊かな教員によるカンファレンスでの評価意見も十分参考にして,プログラムの改善を進めることで,有効性の高いプログラムを開発する。
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