研究課題/領域番号 |
24653271
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
太田 剛 静岡大学, 情報学研究科, 教授 (40213730)
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キーワード | 情報教育 / プログラミング教育 / 教材開発 |
研究概要 |
本研究は、「プログラミングは、仕事の進め方をコンピュータに教える活動である」とみなし、「自分より知識レベルが下の者に対して、仕事の進め方を教える経験」を、プログラミングを学習し始める前に十分トレーニングしておく必要があるという仮説のもと、母語による事前トレーニング教材を設計・開発しようとするものである。 平成24年度は、まず(交付前の)平成23年度中のパイロットプロジェクトで得られた知見について、その検証を行った。この分析過程において、日本語による手続き記述を採点するための基準が得られた。つまり、学生の記述の何に着目してどのように評価すれば良いかのポイントが明確になった。これは、何を学生に意識させてトレーニングを行えば成果をあげられそうかが、より具体的で明確になったことを意味する(この成果は平成25年度に教育システム情報学会誌に発表した)。 この結果に基づいて、平成25年度の前半では、90分3回の事前トレーニング・カリキュラムと教材を構成した。そしてこのトレーニングを実験群約50名に対して実施した。トレーニングにおいては、学生へのフィードバックとその後の修正がいか様になされたかについて分析した。その結果として、手続き記述の不備に対して、学生自身はどのような部分に気づき易い/にくいのか、ある程度のパターンが見えてきた。 平成25年度後半には、前半でトレーニングを実施しなかった統制群約50名とともに、同一のプログラミング教育を行った。同時に、プログラミング作業中の学生の行動データ約100名分を半年間収集した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画通りトレーニングを授業に導入し、トレーニングした学生としなかった学生の行動データを収集することができた。その分析と評価は平成26年度の課題である。一方で、トレーニング教材は1種類が完成しているだけであり、学生の能力に合わせたバリエーションを確保するまでには至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
1.平成25年度に収集した学生の行動データを分析し、トレーニングの効果について評価する。その結果を論文にまとめて投稿する。 2.平成25年度に実施したカリキュラムの教師向け実施ガイド(マニュアル)の整備を行う。 3.教材のバリエーションを増やすことで、学生のその時点における能力に合わせた課題が選べるようにする。
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