研究課題/領域番号 |
24653275
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研究機関 | 兵庫教育大学 |
研究代表者 |
山中 一英 兵庫教育大学, 学校教育研究科(研究院), 准教授 (50304142)
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研究分担者 |
新井 肇 兵庫教育大学, 学校教育研究科(研究院), 教授 (60432580)
谷田 増幸 兵庫教育大学, 学校教育研究科(研究院), 教授 (40442503)
天根 哲治 兵庫教育大学, 学校教育研究科(研究院), 教授 (70127603)
黒岩 督 兵庫教育大学, 学校教育研究科(研究院), 教授 (80153394)
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キーワード | 新人教員養成 / メンタリング / コーチング / MTL / MEP / 国際情報交換(英国) |
研究概要 |
新任教員の大量採用が進む現状のなかで,新人教員の力量形成をいかに推進するかは,各々の職場にとっての喫緊の課題となっている。新人教員の力量向上に経験豊富な教員が果たす役割は重大であるが,新人教員と経験豊富な教員の間で,実際にどのような相互作用が行われているのか,その具体はほとんど明らかにされておらず,それゆえに,新人教員を育てるのに必要となる教師行動も明確に同定されていない。そこで,本研究では,新人教員の成長を促す「優れた教員養成者」の指導行動を構造的に測定する尺度の開発を目的の一つとしたが,平成25年度においては,それに向けた尺度項目の収集を企図とした研究を行った。 教職2~3年目を迎えた新人教員を対象に質問紙調査を実施し,教職生活の中で「最も強く影響を受けた(受けている)先輩教員」の(自分への)関わり方,当該先輩教員との関わりの中で最も印象的だった出来事等を自由に記述してもらった。その結果,「最も強く影響を受けた先輩教員」の指導行動として小学校の新人教員と高校の新人教員に共通していたのは,「望ましい関係性を育む基盤づくり」と縮約される教師行動であった。また,高校の新人教員に特徴的だったのは,生徒指導や授業力に関わる先輩教員の指導行動が挙げられたことであった。 また,平成25年度は,海外調査を実施した。現職(新人)教員教育制度としてイングランドで導入されたMTL(Masters in Teaching and Learning)ならびにウェールズで導入されたMEP(Masters in Educational Practice)について,それぞれのプログラム・リーダーにインタビュー調査を行った。また,ウェールズでは,MEPのメンターやMEPで学ぶ大学院生(現職教員)に対するインタビュー調査も実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
平成25年度は,国内での質問紙調査とフィールドワーク,海外でのインタビュー調査を行った。有意義な結果をもたらす可能性のあるデータが収集されたものの,その多くが質的(言語的)なデータであることから,その分析作業に,(想定した以上の)時間がかかっている。このことが,「遅れている」と判断した最大の理由である。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は実証的研究と理論的研究から構成され,実証的研究はさらにいくつかの方法によって遂行される。各取組は同時並行的に進められるため,取組ごとに主担当者を決め,定期的に会合することで,相互に進捗状況を確認し合いながら,実行していけるようにする。
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次年度の研究費の使用計画 |
イギリス,オランダでの海外調査を実施したが,同行を予定していた研究分担者1名が,本務の都合上,渡航できなくなったため。 次年度も,引き続き,イギリス等での海外調査や研究協議を計画しており,その旅費等に充当する予定である。
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