研究課題
本研究の目的は,中等教育の数学教育を視野に置き,数学教師の問題設定力の向上をめざすものであり,その目的に即して,最終年度及び研究期間を通して次の研究成果を得た。(1) 現職教員の問題設定力の育成に関して,研究代表者と研究分担者は,研究協力者の協力を仰ぎ,問題設定を介して教師の適性を形成する過程を,実際の実践に基づいて考察を重ねた。その成果を,2013年3月の東南アジア地域数学教育学会(EARCOME6)で,発表題目「Improving teaching practices through group activities with problem posing」として研究発表した。これは,問題設定力の育成に関する理論研究の一つである。(2) 教員養成における問題設定力の育成に関して,研究代表者は下村哲氏と数学教員をめざす大学生を対象にしたコンピュータを活用した問題設定に関する共同研究を行った。その成果は,全国数学教育学会(2013年1月)で,題目「コンピュータを活用した数学の問題作り(VII)─大学2年生へのインタビュー調査を通して─」として研究発表し,同学会の数学教育学研究(第20巻1号)に受理され発行された。(3) 世界の問題設定の研究への参与について,研究代表者は,アメリカを中心とした研究者達による問題設定の著書発行の企画に参加し,これまでの問題設定活動に関する研究を英語論文としてまとめ,投稿し受理された。ただ,発刊期日は現段階で未定である。また,ルーマニアの数学教育学会誌に投稿した問題設定に関する英語論文も受理され,近日発行予定である。(4) 研究成果の公表に関して,研究代表者は島根県高校数学研究会(2012年11月,浜田市)での講演,数学教育学会(松山市,2013年9月)での総合講演を行い,問題設定活動の価値を幅広く伝えた。
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全国数学教育学会誌 数学教育研究
巻: 20 ページ: 11-25
数学教育学会誌
巻: 臨時増刊 ページ: 114-116
http://www.mes-j.net
Proceedings of the 37th Coference of the International Group for the Psychology of Mathematics Education
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