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2013 年度 実施状況報告書

植物を例として生物多様性・進化をDNAレベルで実感できる理科教育プログラムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 24653282
研究機関神奈川大学

研究代表者

朝倉 史明  神奈川大学, 工学部, 准教授 (80301589)

キーワード生物多様性 / 植物 / DNA / ポリメラーゼ連鎖反応法
研究概要

植物を例として生物多様性・進化をDNAレベルで実感できる理科教育プログラムの開発と題して、2012年度より研究を遂行している。2013年度の研究成果を項目ごとに明示する。(1) 抽出バッファー中で磨り潰し、短時間で低回転数の遠心分離を行って得た上清(粗抽出物)をポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法の鋳型に用いるが、粗抽出物がPCRに適用可能である作物種を2012年度よりもより多くの種で確認した。2013年度には具体的には20科45種類の作物で良好な結果が得られることを確認した。(2) 2012年度にはプラスチドゲノム上のpsbA-trnH遺伝子間領域の多様性の良好な検出法を明らかにしたが、粗抽過程から電気泳動及び染色による増幅DNA断片長多型の検出に及ぶ全過程の詳細な実験実施方法を確立した。(3) psbA-trnH遺伝子間領域の増幅断片の塩基配列を22種類の作物について決定し、データベース上の既知の塩基配列とともに比較解析を行い、多様性の分子レベルでの説明資料の作成を開始した。(4)
上記、塩基配列の比較から、似たような増幅DNA断片長であるセリ科の4種(ニンジン、パセリ、セロリ、ミツバ)から、制限酵素HaeIIIによる切断によってニンジンを他の三種から識別できることを明らかにした。増幅DNA断片長が同様であっても内部の塩基配列は異なっている場合があることを簡便に示す実験プログラムの開発の道を開くことができた。
現状では、高校生や生物学を専門としない大学生を含めた一般の方に実感していただける教育プログラムの実験系の開発が完成しつつあると言える。それと同時に分子レベルでの基礎的な内容の説明用資料の作成を開始した状態である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究実績の概要で述べたように、植物におけるDNAレベルでの多様性を示すことができる、ある程度簡便な実験系の詳細なプロトコルが完成した。各ご家庭の台所にあるような身近な食材の多くがこの実験に適用可能であることを示した。さらに、多様性を分子レベルで説明するための資料の作成を開始し、増幅DNA断片長が同様であっても内部の塩基配列は異なっている場合があることを簡便に示す実験系の開発にも着手した。以上のことから、おおむね順調に進展していると判断できる。

今後の研究の推進方策

(1) すでに述べている説明用資料を完成し、高校の先生方や多くの方に利用していただける状態にする。(2) 台所にあるような食材以外の身近な雑草や観賞用の植物、あるいは校庭やキャンパスの樹木を材料として使用可能か否かを検証し、使用可能な材料リストの充実を図る。(3) 実際に高校生や大学生などに開発した実験を体験していただき、感想を集めた上で、より簡便で尚かつ教育効果の高いプログラムに本教育プログラムを向上させるために必要に応じた修正を行う。

次年度の研究費の使用計画

試薬および実験試料の保存場所の拡充のためにフリーザーの購入を計画しているが、今年度は適切な設置場所を用意することができなかった。このために次年度使用する額が生じた。
50万円程度は、実験用消耗品(マイクロチューブやチップなどのプラスチック製品やDNAポリメラーゼを含む試薬など)そしてフリーザーの購入に充てる。英文校閲、論文投稿、別刷りなどに約20万円を見込んでいる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014 2013

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 身近な食材を用いたDNAの多様性を体感する教育プログラム‘キッチンPCR’2014

    • 著者名/発表者名
      朝倉史明
    • 学会等名
      日本生物教育学会
    • 発表場所
      筑波大学
    • 年月日
      20140111-20140112
  • [学会発表] 植物の遺伝的多様性をDNAレベルで体感する教育プログラム‘キッチンPCR’2013

    • 著者名/発表者名
      朝倉史明
    • 学会等名
      日本育種学会
    • 発表場所
      鹿児島大学
    • 年月日
      20131012-20131013

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公開日: 2015-05-28  

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