研究課題/領域番号 |
24653284
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 小山工業高等専門学校 |
研究代表者 |
久保 和良 小山工業高等専門学校, 電子制御工学科, 准教授 (60234473)
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研究分担者 |
小堀 康功 小山工業高等専門学校, 電子制御工学科, 教授 (40353304)
南斉 清巳 小山工業高等専門学校, 電子制御工学科, 教授 (70141869)
渡邉 達男 小山工業高等専門学校, 電子制御工学科, 教授 (00220898)
鹿野 文久 小山工業高等専門学校, 電子制御工学科, 准教授 (20204589)
笠原 雅人 小山工業高等専門学校, 電子制御工学科, 講師 (00233693)
市村 智康(大谷智康) 小山工業高等専門学校, 電子制御工学科, 講師 (60360327)
平田 克己 小山工業高等専門学校, 電子制御工学科, 講師 (50353248)
大島 心平 小山工業高等専門学校, 電子制御工学科, 講師 (60608230)
飯島 洋祐 小山工業高等専門学校, 電子制御工学科, 助教 (90565441)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 専門教科の教育 / 技術者教育 / 設計の経験 / ABET |
研究概要 |
今年度は、ABET対応可能な工学教育の調査、およびその一部の学内発表、ならびに設計工房の一部準備を実施した。 工学教育の調査として、特に大学等で特徴のある教育の実例を調査した。この内容の一つは近隣大学等の実地調査であり、概ね旅費等が1万円に満たない距離にある大学の実地調査を実施した。その1例として、群馬大学工学部における教育の調査が挙げられる。ただし、こちらの調査結果については、大変興味深い取り組みがなされているものの、それはABET対応可能な方向ではなく、標準的大学教育の範疇での取り組みであり、例えばいかにして問題を解くかについての演習授業などであった。概ね国内近隣の大学における取組のうち、本研究の対象となる全員に対するデザイン経験などABET対応可能な取り組みはなされていないことが判明した。この意義は、国際的に見た場合に本研究の取組みの萌芽性を十分に検証できた点で重要である。 共同研究者の1名が国外留学から帰国したことにより、米国UIC(イリノイ州立大学シカゴ校)の技術者教育を当該研究者から聴取することができた。この大学はABET認定校であり、その具体的な教育内容を、小山高専内の教育改善推進室とジョイントする形で発表していただいた。実際のABET教育を知り、学内教員の理解が深まった。 設計工房の準備については、予算の範囲内でサンプリングオシロスコープやデータロガーなどを準備することができ、また設計実習で必要となる部品・モジュール類の一部整備がなされた。今後の予算にてマシニングおよび応用設計工房の整備に向けての基本要素が整備されつつある状況である。なお、当該年度における対象学生は全数1名であり、設計の経験をさせる実績をあげることができたものの、今後さらに対象学生を増やしての本格的実践に向けての取り組みの現実性が明らかになり、重要な研究実績をあげることができたと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1.旅費の不足により、調査が近隣大学等に限られたこと。 2.設計経験の実践では、対象学生が少数であり、十分な母数の検証がおこなえなかったこと。 3.予算の配分を設計工房の充実に回した分、講師謝金が不足して、外部講師をお招きしての学内講演会が実施できなかったこと。
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今後の研究の推進方策 |
国内大学等の調査について、少数の共同研究者に多めの旅費を配分し、国内遠方も含めた技術者教育の実践状況を調査するとともに、外部講師をお招きして、本校内部署との連携のもと、術講演会を実施する。また、次年度の本格化に向けて、国内大学等への本研究への参加を呼び掛ける方策をとる。 設計工房の充実については、応用面での工房にかかる備品を追加して、さらに充実を図る計画である。また、実際に設計体験する学生数も、本校専攻科在籍者数の増加により、多くなると見込まれ、今後は具体的なテーマの設定にも重点を置き、さらに内容を充実する方向に推進してゆく。 予算が許せば、国内の大学等へのアンケート調査や、本校を基地とした研究会発足への無理のない第一歩を踏み出す計画である。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度は、国内遠方の調査のための旅費を共同研究者に配分するとともに、予算的に無理のない範囲で外部講師を招聘し、またアンケート調査を実施し、可能であればABET対応可能な工学教育研究会の立ち上げをおこなう。 設計工房の応用面での備品類を整備し、具体的テーマ設定などを通じてその効果を検証し、成果を可能な限り研究会へ報告し、また無理のない範囲で研究論文集冊子の出版または出版準備を行うことを計画している。
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