研究概要 |
(a)「吃音スタディーブック中高生版」の開発 マルチメディア自学教材である「吃音スタディーブック中高生版」の開発を行った。開発にあたっては、「ICF に基づく学齢児吃音指導・支援プログラム」(小林, 2009)及び、「吃音スタディーブック小学生版」(小林, 2009, 2010,2011)の内容をベースに、言語面、心理面、社会生活面等の様々な教育・支援内容を含めた。また、「吃音がある皆さんへのメッセージ」、「吃音の話し方ビデオクイズ」、「吃音が出にくい話し方デモンストレーション」などのビデオ教材を作成したり、iBooks Author(マルチメディアを作成する iPad のソフト)を利用した生徒の関心を引きつける教材作成を目指した。(b)「夜間吃音講座」カリキュラムの開発 授業や部活動等への影響が最小限となる夜間(19~21時)に行う計6回からなる「夜間吃音講座」のカリキュラム開発を行った。カリキュラム開発においては、「きつおんがあるこどものつどい」(2012年11月実施)及び吃音がある中学生、高校生各1名への教育臨床相談を実施し、吃音がある中学・高校生のニーズ把握を行うと共に、「夜間吃音講座」に導入予定の指導・支援プログラムを試行的に実施し、その内容や方法の検討を行った。カリキュラムは、「ICF に基づく学齢児吃音指導・支援プログラム」及び、「吃音スタディーブック小学生版」の内容をベースに、「言友会会員の方に吃音のことを質問しよう」、「吃音の悩みをブレーンストリーミングしてみよう」、「吃音が出にくい話し方の練習をしよう」、「何でも発表練習をしよう」など、言友会会員の方との交流や、実際の発話練習等、体験型の学びを重視した内容とした。また、重要な学習や練習については、毎回、あるいは複数回取り上げ、全ての会に参加出来なくても一定の教育・支援効果が確保できるように考慮した。
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