研究課題/領域番号 |
24653292
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
荒木 友希子 金沢大学, 人間科学系, 准教授 (30334741)
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研究分担者 |
武居 渡 金沢大学, 学校教育系, 准教授 (70322112)
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キーワード | 聴覚障害 / 教材の開発 / 日本語教育 / iPad |
研究概要 |
本研究では,聴覚障害児を対象に,心理学・聴覚障害教育・認知言語学の知見に基づき,親子で楽しみながら日本語の学習をおこなうことができ,意欲的に取り組め,より学習効果の高い視覚的な教材となるiPadアプリケーションの開発をおこなうことを目的とした。 平成25年度では,iPadを無料貸与し,協力を依頼した石川県立ろう学校小学部や幼稚部の教員を対象に,実際にiPadを活用した教育現場の様子をヒアリングするための調査をおこなうことによって,聴覚障害児が日本語を学習するに際して既存のアプリでは充足できていないところを詳細に分析し,アプリ開発業者へ外注する教材アプリの具体的な内容を検討した。その結果,全国のろう学校で取り組んでいる読字力検定(聴覚障害者教育福祉協会主催)に基づき,手話のイラストや動画を活用して書字日本語に置き換えるような問題に取り組む内容のアプリを外注することに決定した。アプリの開発業者の選定に時間がかかったが,東京都のレデックス株式会社に依頼することとなった。 また,小学校では地域の通常学級でインテグレーション教育を受け,ろう学校中学部に進学した生徒に対してインタビュー調査を実施し,聴覚障害児の教育場面における人工内耳や補聴器といった補聴機器の存在意義について考察をおこなった。その結果について,日本発達心理学会第25回大会にて研究報告をおこなった。また,日本子育て学会の学術雑誌にて論文が掲載される予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
iPadアプリの開発という研究目的を達成するにあたって,本年度では,アプリの具体的な内容を決定することができ,アプリ開発業者の選定もおこなうことができた。予算と納期の関係から,アプリ外注の発注は次年度に持ち越すこととなったが,アプリ開発業者とはすでに詳細な打ち合わせを進行しており,次年度内のアプリ完成は確実なものとなっている。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度となる平成26年度では,アプリを完成させ,ろう学校小学部の児童に実際に利用してもらい,そのアプリを用いた学習の効果を検証する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初の計画では,本年度にアプリ開発業者へ発注するための予算を計上していたが,納期の関係から次年度に入ってからの発注が望ましいと判断したため,本年度の発注を見送った。そのため,本年度の未使用額が大きく残った形となったが,研究は遂行中であり,問題はないと考える。 次年度に入ってすぐにアプリ開発業者へ発注する計画であるため,本年度の未使用額は次年度に利用することは確実なものとなっている。
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