研究課題/領域番号 |
24653296
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
郡 由紀子 徳島大学, 大学病院, 講師 (70243722)
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研究分担者 |
中川 弘 徳島大学, 大学病院, 助教 (70192218)
尼寺 理恵 徳島大学, 大学病院, 助教 (50274246)
吉岡 昌美 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (90243708)
上田 公子(山口公子) 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (40335807)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | adaptability program / Developmental Disorders |
研究概要 |
本年度は、歯科受診の適応性を簡便かつ迅速に把握できる評価ツールの試作として、さまざまな広汎性発達障害の評価尺度を参考にしながら、歯科診療という特殊な画面における歯科診療への適応性という観点から必要と考えられる評価項目を選択した。本研究では、歯科受診適応性評価の項目として、1.年齢、2.歯科治療経験の有無、3.初めての場面の受け入れに関する項目、4.言語能力、認知能力に関する項目、5.コミュニケーション能力に関する項目、6.感覚過敏性に関する項目、7.こだわり・切り替えに関する項目、8.衝動性、多動性に関する項目の8つの大項目に整理した。2.歯科治療経験の有無については、初めて歯科を受診した年齢、通院回数、さらに適応状況を(良好、やや困難、困難)の3段階で評価した。また3~8の項目については、それぞれに2~8の小項目を設け、合計27項目について、(0:当てはまらない、1:やや当てはまる、2:当てはまる)の3段階で評価する形式とした。以上を『歯科受診適応性評価表』としてまとめ、研究実施計画とともに徳島大学病院臨床研究倫理審査委員会に提出し、研究実施計画の承認を得た。 また行動調整支援プログラムの有効性を評価するための客観的なストレス評価方法のひとつとして計画した唾液アミラーゼをマーカーとしたストレス評価の予備的評価を行った。その結果、使用方法が簡便で数値による評価が可能なため、歯科診療時のストレス評価として十分使用できることが確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の研究計画では、当初、歯科受診適応性評価ツールの完成を目的としていた。評価項目の抽出と整理を行い、評価ツールの原案の試作は達成された。しかし研究倫理審査委員会の承認を得るのが遅くなり、実際に広汎性発達障害児・者に対する試用までは至らず、評価ツール試作原案の十分なブラッシュアップができたとはいえない。 ただし、次年度に計画していた唾液アミラーゼ分析によるストレス評価については、本年度中に予備的実験は終了しており、ストレス評価については計画より進展している
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今後の研究の推進方策 |
1.次年度は、早期に歯科外来を受診した広汎性発達障害児・者に対して『歯科受診適応性評価表』を用いて、歯科受診適応性の評価データを収集し、評価ツール原案のブラッシュアップを行う。次に完成した評価ツールを用いて、広汎性発達障害児・者の不適応状態を把握し、不適応状態の改善に効果的な行動調整支援プログラムの作成を目指す。行動調整支援プログラムの有効性の評価を行うために、適応性の評価資料の収集時に被験者から唾液を採取し、唾液アミラーゼモニターにて分析した唾液アミラーゼ活性値を記録する。同時に末梢血液循環モニターのセンサーを手指に装着し、心拍変動を記録する。 2.研究を遂行する上での課題と対応策 歯科受診適応性の評価には、受診経験の少なく、歯科受診に不適応を示す広汎性発達障害児・者を選択する予定であったが、研究期間内に十分な被験者数が得られない可能性がある。評価ツールのブラッシュアップのためにも被験者数が多い方が望ましいため、歯科受診歴を問わず資料を収集することとする。また適応、不適応を問わず、適応性評価データの収集を行い、ストレス評価を行うこととする。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度への繰越額は、ストレス評価を行うための唾液アミラーゼモニターと測定用チップの購入および末梢血液循環モニターの購入に使用する予定である。
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