研究課題/領域番号 |
24653296
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
郡 由紀子 徳島大学, 大学病院, 講師 (70243722)
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研究分担者 |
上田 公子(山口公子) 徳島大学, 大学病院, 助教 (40335807)
尼寺 理恵 徳島大学, 大学病院, 助教 (50274246) [辞退]
中川 弘 徳島大学, 大学病院, 講師 (70192218)
吉岡 昌美 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (90243708)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 広汎性発達障害 / 歯科受診適応性 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、歯科受診に困難を極める高機能のPDD児者に対して、歯科受診の適応性を迅速に把握し、診療協力性の向上に効果的な行動調整支援プログラムを開発することである。広汎性発達障害を有する就学年齢(6歳)以上の患者37名(男性25名、女性12名、年齢6歳~21歳)を対象とし、我々が作成した歯科受診の適応性を簡便かつ迅速に把握できる歯科受診適応性評価表の各項目について保護者から回答を得た。歯科受診適応性評価表は8つの大項目と各項目について2から8つの小項目があり、合計26項目で構成されている。また同時に、対象者のストレス評価の指標とするために唾液アミラーゼ活性値の計測を行った。歯科受診適応状況から、対象者を「良好群」と「困難群」に分け、さらに「良好群」を唾液アミラーゼ値が45KU/l以下の群「AL群」と唾液アミラーゼ値が46KU/l以上の群「AH群」に分けて、歯科受診適応性評価の各項目と唾液アミラーゼ値について比較検討した。 その結果、年齢が低い時期は歯科受診が困難な場合が多く、AH群と困難群では言葉による感情表現が難しい傾向を示した。また困難群は洗顔、歯磨き、味覚、光などに対して過敏性が高い傾向を認めた。唾液アミラーゼ値についてもAH群と困難群では有意に高い値を示し、ストレスが高い傾向を示した。 すなわち、言語、認知能力が低く感覚過敏性の高い広汎性発達障害児者は、歯科受診に際して強いストレスを受けやすく、そのことが適応困難の要因となっていることが示唆された。以上のことから歯科受診適応性評価表を用いることによって広汎性発達障害児者の特性を簡便に把握することが可能となり、注意すべき評価項目が明らかとなった。
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