研究課題/領域番号 |
24653299
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研究機関 | 聖徳大学短期大学部 |
研究代表者 |
大熊 光穗 聖徳大学短期大学部, 保育科, 准教授 (30461768)
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キーワード | 並行通園 / 障害児保育 / 療育施設 / 保育所 |
研究概要 |
本研究の目的は、就学前の障害のある幼児が①障害児通園施設(現児童発達支援)と保育所を同時に利用する並行通園の実態をとらえて意義と課題を明らかにし、②施設と保育所のより良い連携の方策を提案することである。 今年度は、並行通園の事例として協力を得られた対象児(4歳児・身体および知的障害)が通う並行通園先の療育施設と保育所双方の対象児のとらえ方、目標設定、互いの施設に対する考え等を面接および質問紙によって収集、合わせて保護者に対しても保護者の立場からの子どもの変化や両施設への意識について聞き取る面接を行った(平成26年2月)。三者のとらえ方を比較検討することにより、この事例における並行通園の意義と問題点を把握することが目的である。具体的な内容としては、並行通園を行う決定に際して根拠となった点、並行通園を行うことにより期待したこと、対象児の個別の目標をどのように設定し、また、その共有ができていたか、対象児の成長・発達をどのように捉えたか、並行通園を意義あるものにするために必要なことは何か、等である。 詳しい結果については整理中であるが、互いがどのようなことを対象児の課題に設定しているかについての情報が十分に届いておらず、両施設とも多忙な業務の中で共通認識を確認し合う場がなかなか持てないことを第一の問題ととらえている。実質的な連携の手段を探っている段階であり、次年度の課題となることである。また、連携における保護者の存在、役割を両施設とも重視しているが、どのようにすれば三者が有機的な関係となるかについても、次年度に継続する課題である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初の計画において、25年度は並行通園プログラムを提案するために、並行通園児について、療育施設と保育園、研究者の三者が定期的に複数回のカンファレンスを開き、検討を重ねる予定であった。しかし、これはそれぞれの日程上困難となり、療育施設と保育所の対象児のとらえ方、目標設定の違い、互いの施設に対する考え等をインタビューあるいは質問紙によって収集、合わせて保護者面接を行い保護者の立場からの子どもの変化や両施設への意識について聞きとりを行い、それらを照らし合わせて問題を提起するにとどまった。
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今後の研究の推進方策 |
並行通園を行っている幼児について、引き続き保育所、療育施設における経過観察を行う。合わせて、定期的なカンファレンスを行い、前年度の調査の不備を補い、極めて少数の事例とはなるが、そこから並行通園の効果を生み出すものを整理する。また、現在協力を得ている両施設以外の保育所および療育機関に、並行通園あるいは施設間の連携に関する実態調査を行い、それらと個別事例から引き出された推察をもとに並行通園の意義、より良い連携のための方策を考察する。
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次年度の研究費の使用計画 |
データ収集後の整理、分析の遅れにより予定していたデータ処理用のソフト、アルバイトへの謝金が次年度への繰り越しとなったことが主な理由である。 次年度使用額はデータ処理用のソフト、アルバイトへの謝金に使用する。
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