研究実績の概要 |
昨年度は, 主に次のテーマについての研究を行った (1) 虚数乗法をもつ肥田変形の岩澤理論(原氏との共同研究), (2) Coleman族に関する円分岩澤理論の研究(Nuccio氏との共同研究), (3) 特異点をもつ肥田変形に対するEuler系の理論の研究(下元氏との共同研究), (4) 非可換岩澤代数の代数的な振る舞いの研究(Jha氏との共同研究). (1)についてはCMを持つHilbertモジュラー形式の円分岩澤主予想を適当な条件や予想のもとで示す最初の論文は全て細部まで証明を書き終えており, 読みやすさや数学的な定式化などに関して推敲する最終段階にある. 近いうちに投稿したいと考えている. (2)のNuccio氏との共同研究は最初の論文の完成にだいぶ近づいているがまだ埋めるべき細部が幾つかあるので完成を急ぎたい. こちらも最初の論文のColeman写像を元に岩澤主予想を考えるなど続きの計画があり, 最初の論文にめどがつき次第次の段階に共同研究を進めたい. (3)については最初の論文の掲載が決定し現在はその続編となる第2本目もだいぶ完成に近づいてきている. (4)についてはある程度議論がまとまり論文の作成に取り掛かったところである. 執筆を急ぎたい. また, 一般的なガロワ表現やガロワ変形に対する岩澤主予想の一般的な枠組みを定式化して整理することにも取り組んだ. 成果を準備中の著書にまとめるべく準備中である.
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