研究実績の概要 |
今年度は、Pakovich-Zapponiにより研究された平面上のX・Y字型のグロタンディーク・デッサンと楕円曲線の上のベリー関数の対応を詳細に検証し、とくにX字型のデッサンの分類に関して、レベルつき楕円曲線の普遍族に関する Kubert 方程式のモーデル変換に連分数展開のアルゴリズムを組合せる方法を数式処理ソフトを用いた計算機実験に組み上げ、計算を実行した。この結果、いくつかの類型に系列的にまとめられることがわかり、論文としてまとめた。応用として、これまで注目されていなかった興味深い tree dessin の事例が得られ、今後の継続的な考察のための足がかりになることが期待される。この内容について10月にフランスのルミニー数学研究所で行われた研究集会"Braids and Arithmetic"に参加し、On Grothendieck dessins and elliptic curves というタイトルで研究発表を行った。また12月にはスペインのマドリードで行われた研究集会 "Workshop on Multiple Zeta Values, Modular Forms and Elliptic Motives II" に参加し、Monodromy of elliptic curves and Mordell transformations in Grothendieck-Teichmueller theory というタイトルで発表を行った。
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