有限集合に対してその対称積の形式和を取ると有理関数になり、その分母の次数として有限集合の元の個数があらわれることが容易にわかる。有限体上の代数多様体の対称積の元の個数の形式和を取ると有理関数になる、というのが20世紀代数幾何を大きく発展させる原動力となったWeil予想であるが、それに圏論的解釈を与える、という目標のもと、様々な圏において対称積の形式和(これをモチビックゼータと呼ぶ)の有理性を調べた。 代数多様体のモチーフでのモチビックゼータの一般化であるモチビックチャウ級数が有理的になったりならなかったりする現象を確認した。また箱玉系の母関数を定義し、有理的になると予想して特別な場合に証明した。
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