研究概要 |
平成25年度における「研究の目的」は,調和写像およびポアンカレ・アインシュタイン計量, 特に双曲空間の直積から双曲空間への調和写像の存在問題の研究であった.そのため, 定義域の直積空間の無限遠理想境界の幾何解析的な研究を主に行った.また, この研究テーマの専門家である海外連携研究者のRafe Mazzeo氏との頻繁な研究連絡も行ったが, 残念ながら, 今年度は具体的な成果は得られなかった. 同時に, 新連携研究者の松本佳彦氏とは漸近的双曲的空間の間の調和写像の存在問題の研究も行った. これに関しては若干の成果を得たが,完成を目指して現在も研究継続中である. 連携研究者の相山礼子氏とは,本研究課題に関係して,2次元複素空間内の極小ラグランジアン曲面,5次元ハイゼンベルグ群H内の極小ルジャンドリアン曲面,および曲面の平均曲率流の研究を行った.特にH内の極小ルジャンドリアン曲面に関しては,3次元の極小曲面の場合と同様の,正則データによる 表現公式を得た.この研究も現在進行中である.
|