無限単純群は自然に空間への作用を持つことが多い。一方、無限単純群Gの単位元ではない1つの元の共役類とその逆元の共役類の和集合の集合Xを考えると、その2つの集合たちの間には、一方のべき乗が他方を含むという現象が起こる。これにより、Xに距離を定義することができる。この距離の性質を、単純群の作用を用いて解明する研究を行った。群Gの逆について閉じている非自明な部分集合Kをとると、Gの元はKの元の共役の積に書かれ、その最小個数がG上にノルムを定める。このノルムおよびG上の擬準同型とX上の距離との関連が明らかになった。また、ある種の同相群ではすべての元が1つの交換子となることを示した。
|