研究課題/領域番号 |
24654016
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
井関 裕靖 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (90244409)
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キーワード | 有限群 / 離散幾何学 |
研究概要 |
平成25年度は平成24年度に引き続き、離散集合のウェイトに関する考察を継続した。ウェイトがどのように離散集合の形状を決定するかについて、離散集合の種々の距離空間への埋め込みを通して理解することを試みた。与えられたウェイトをもつ離散集合の適当な距離空間へのよい埋め込みを与え、その埋め込みから決まる離散集合の形状が、ウェイトの情報からどれだけ再現できるかに注目し研究を行った。 埋め込む先の空間としては、とくに Lp 空間をはじめとするBanach空間を主な考察の対象とした。これまではHilbert空間とLp空間の差を適切に測ることにより、埋め込みの誤差を捉えることしかできなかったのだが、これでは与えられたウェイト付き離散距離空間に依存して決まるはずの埋め込みの誤差は捉えられない。しかし、最近の Mendel-Naor によるグラフの埋め込みに関する研究成果等から、より直接に L1 空間への埋め込みを扱う手法があることを知った。これは樹木(単連結な一次元単体複体)が等長的にL1空間に埋め込めることに注目し、与えられたグラフのspanning treeの分布を通してL1空間への埋め込みを構成するという手法である。平成25年度の後半はこの手法について先行する研究等の情報を取得・整理・精査をし、より一般の Lp 空間、さらには一様な凸性をもつ距離空間へのグラフとは限らないウェイト付き離散距離空間の埋め込みについて考察する足がかりを得ることを試みた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初考えていたウェイト付き離散集合の距離空間への埋め込みを捉える手法が十分ではなかったため。しかし、Mendel-Naor等の研究成果を学んだことで、来年度以後この遅れを取り戻せると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、ウェイト付き離散集合の距離空間への埋め込みから決まる形状とウェイトの関係を精査して、ウェイト付き離散集合の形状をとらえることを試みる。上述のように、Mendel-Naorの手法を我々の設定へと一般化することにより研究が進展すると考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
ウェイト付き離散集合の距離空間への埋め込みの捉え方が不十分で、これに関連した研究が予定通りに進展しなかったため。 Mendel-Naor の手法を手がかりにより一般的な距離空間へのウェイト付き離散集合の埋め込みの研究のために、関連するテーマで研究を行っている国内外の研究者と研究討論等を行う。
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