非線形偏微分方程式・変分問題で、余次元が存在する幾何学的測度論に関連する問題が重要な研究対象となっている。この問題は変分問題を出発点として、放物型などへも拡張されてきた。しかしながら、正則性の問題などから、双曲型への拡張はあまり行われてこなかった。 本研究では幾何学的測度論と双曲型との融合をメインテーマとして研究を進めてきた。具体的な問題としては自由境界問題であり、近似弱解の構成(離散勾配流による)から始め、1次元の特殊な場合には解の存在も明らかになった。物理的イメージとして、液滴の付着問題などを想定しており、液的の挙動については十分に信頼に足るアルゴリズムを得ている。 薄膜と流体の連成解析へも行い、弱連成の場合でも破綻無く計算できることを示した。この方法では、天井を伝うドロップレットの記述も出来ることが分かり、表面張力が十分強力な場合の数値計算方法に端緒を開いたと確信している。
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