研究課題
正五角形と黄金比は、フィボナッチ数列を通して螺旋葉序と密接な関係がある一方、ペンローズタイルなど準結晶タイリングとの関連もある。本研究では、主として葉序の螺旋タイリングについて、大きな研究成果を得ることができた。従来の葉序の幾何学モデルの研究では、円筒面上に大きさ一定の円板を敷き詰めるモデルが典型的であったが、本研究では円板敷き詰めの代わりにボロノイ分割を考えることで、より現実に近いモデルを考えることができた。円板敷き詰めとボロノイ分割を比較すると、両者の分岐図はグラフとして双対的である。また、円筒面上での平行移動の対称性(パイナップル型)を考える代わりに、相似変換の対称性を考えることで、定義方程式の次数は高くなるが、ひまわりのような花の螺旋に近づけることができた。また、造形作家日詰明男氏との共同研究により、葉序の平面螺旋構造を立体構造物に応用して、座席を葉序螺旋の形に配置することで視界も広く空間効率にも優れた円形劇場(スタジアム)の基本デザインを提案することができた。複素葉層構造については、Lie 群の横断構造をもつ一次元複素葉層構造や、スタイン複素曲面上の正則ベクトル場に関するいくつかの性質を導くことができた。また、遺伝子発現をモデルとするネットワークを念頭に置いたある一般的な条件を課した微分方程式系において、データに関するいくつかの条件を満たせば,時系列データからdirected graph を構成しそこから得られるMorse 分解が,元の微分方程式系の Morse 分解の細分と出来ることを示した。Mirsky のサーカディアンリズムのモデルに対して,その時系列データから global attractor のモース分解についていくつかの結果を示すことが出来た。
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