研究課題/領域番号 |
24654030
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研究機関 | 統計数理研究所 |
研究代表者 |
伊藤 聡 統計数理研究所, 数理・推論研究系, 教授 (50232442)
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キーワード | 凸最適化 / 測度空間 / 確率測度 / 無限計画 / 半無限計画 / モーメント問題 / 通信路容量 / 相互情報量 |
研究概要 |
無限次元の最適化問題は、ほぼ一般性を失うことなく適当な測度の空間上の最適化問題とみなすことができ、また測度は一般に絶対連続な成分と離散的な成分に分解することができる。本研究においては、コンパクトもしくは非コンパクトな空間上の符号つき正則ボレル測度からなるバナッハ空間を考え、この空間において定義される凸最適化問題がどのような状況のときに離散測度を最適解として持つのか、また逆にどのような状況のもとで絶対連続測度が最適解となるのかを明らかにすることを目的としている。平成25年度は、コンパクト空間上の測度空間における凸最適化(これはデータの取り得る値が有限である場合の凸最適化であり、情報理論における基本問題の一つである通信路容量の言葉で言えばピークパワー制約がある状況に相当する)とともに、非コンパクト空間上の測度空間における凸最適化について、特に通信路容量の問題では2乗以上の平均パワー制約がある状況について考察し、無限次元における数理最適化の立場から、最適解の測度としての性質、通信路容量やレート歪みの問題への応用、半無限計画やベイズ統計との関連、また数値的に解くための算法などについて調べた。結果の一部は論文にまとめ、また国際学会で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
通信路容量あるいはレート歪みの問題への応用について、Kullback-Leibler情報量のように目的関数が非線形の場合の理論が完全でない。
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今後の研究の推進方策 |
複素関数論的手法と数理最適化手法を組み合わせることを検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
消費税率変更によりソフトウェアの保守期間が2ヶ月分短縮されたため。 2ヶ月分の保守費用は次年度に支払う。
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