研究課題/領域番号 |
24654033
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
熊谷 隆 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (90234509)
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研究分担者 |
石毛 和弘 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (90272020)
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キーワード | 非局所偏微分方程式 / 確率論 / 解析学 / 飛躍型確率過程 / 国際研究者交流 / フィンランド:韓国:ポーランド:アメリカ |
研究概要 |
1。熊谷は、fractional time derivative heat equationの熱核に関する研究を行った。空間微分の作用素がdivergence form等の場合には、偏微分方程式の研究者らによる様々な先行結果があるが、空間がirregularな場合や作用素が非局所な場合には、ほとんど結果がないのが現状である。我々はfractional time derivative部分を拡散過程のinverse stable subordinationなどによる時間変更だと捉える確率論的視点からこれを解析し、幅広いoperatorについて熱核の評価を行うことが出来る見通しを立てた。Poisson方程式の解の存在など、関連する解析を整備する必要があり、これらについての先行研究の調査などに時間がかかり、厳密な結果を出す途中段階で時間切れになってしまったが、引き続き当該研究を推進し、論文にまとめることを目指す。本研究はZ.Q. Chen氏、P. Kim氏との共同研究である。 2。半線形発展方程式の時間大域解の多くは線形項から決まるある積分核に時間無限大で収束するが、石毛はその収束のノルムおよび早さについて解析し、また、高次漸近解析を行う理論の構築を行った。これらの解析には、de Giorgi-Nash-Moser 理論などによる解の先験的評価が有効であった。石毛はこの他、熱方程式等に対して放物型凸性の概念を導入し、その有用性を示した。
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