(1)ヘルダー連続微分をもつ円周の微分同相写像のタイヒミュラー空間を構成し,その基礎を確立した.(2)メビウス変換群の対称写像による共役の各元がヘルダー連続微分をもつ微分同相写像の場合,共役写像も同じオーダーのヘルダー連続微分をもつことを証明した.(3)オーダーが 1/2 より大きいヘルダー連続微分をもつ微分同相写像群が,同じオーダーの共役写像によりメビウス変換群の共役となるための必要十分条件を,微分同相写像の擬等角拡張の歪曲係数の一様可積分性より与えた.(4)オーダー1/2より大を仮定しない場合は,歪曲係数の可積分性が一様にある定数より小さいならば十分であることを証明した.
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