研究課題/領域番号 |
24654038
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
金井 雅彦 東京大学, 数理(科)学研究科(研究院), 教授 (70183035)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 相関関数 / 行列係数 |
研究概要 |
力学系理論における相関関数(correlation function),およびユニタリ表現論における行列係数(matrix coefficient),これらふたつの概念の「実体」は,じつは同一のものである.定義をみればただちに理解可能なこの事実が,どうも見過ごされてきたようである.本研究課題の出発点はまさにここにある.看過されがちなこの認識から出発し,ふたつの分野を必要に応じて行き来しながら,相関関数や行列係数に対する評価を得るための新たな手法の開発を目指すとともに,得られた評価の新たな応用を追求する.とくに応用としてKatok-Spatzier により提出された自由アーベル群のアノソフ的作用に関する予想に挑みたい.以上が本研究課題の研究目的であった.とくに平成24年度は,いわゆる Katok-Spatzier の予想に関連して,リー群 SL(n+1,R)の一様格子のn次元球面への標準的な(したがって射影的な)作用に関し考察を行い,新たな知見を得ることができた.この群作用に関する研究をかつて行った際には見落としていたものである.これにより,当該研究課題の遂行にも進展がもたらされることが期待される.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
リー群 SL(n+1,R)の一様格子のn次元球面への標準的な(したがって射影的な)作用に関し考察を行い,新たな知見を得ることができた.これが,この評価の理由である.
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今後の研究の推進方策 |
リー群 SL(n+1,R)の一様格子のn次元球面への標準的な(したがって射影的な)作用に関する研究を続行する.そしてそれを手がかりに,研究課題の実現を模索する.
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度と同様,研究費の大半は旅費として,また残りは書籍等の購入にあてられる予定である.
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