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2012 年度 実施状況報告書

高次元量子系の行列積状態の挑戦的萌芽研究

研究課題

研究課題/領域番号 24654042
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関九州大学

研究代表者

松井 卓  九州大学, 数理(科)学研究科(研究院), 教授 (50199733)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードsplit property / entanglement entropy
研究概要

主として2つの部分系よりなる無限自由度量子系におけるentanglement entropyと部分系の統計的独立性を表すsplit propertyの関係、および量子スピン系の基底状態への応用の研究を行った。我々が2000年に発表した論文で述べたsplit propertyと1次元量子系における自発対称性の関係と相関関数の指数的減少の関係に関する未解決問題が解けた。すなわちentanglement entropyの有界性がるとsplit propertyが成立することを我々は示しているが、Horodecki等が2012年6月に発表した結果を応用すると、2点相関関数でのある種の一様指数的減少があれば部分系のsplit propertyが成立することが明らかになった。その結果、スピンが半奇数のSU(2)不変なハミルトニアンが定める1次元量子スピンでスペクトルギャップと並進不変対称性の破れについてAffleck-Liebの二分率が、無限遠での境界条件によらないもっとも一般的な形で成立することが分かった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

1次元系での相関関数の指数的減衰からsplit propertyが導かれることが分かったのは非常に予定外の大きい収穫であった。しかし、高次元系へのsplit propertyの概念の拡張に関しては未だに結論出ていないので全体としては、まだ最終目標には至ってない。

今後の研究の推進方策

空間が連続である場の量子論の状況でも適当な設定を行えば部分系のentanglement entropyの一様有界性がsplit propertyが成立することが分かった。この成果は多様体上の場の量子論における空間のendごとのsplit propertyに応用できると期待されるが、具体的な応用は今後の課題である。多様体上の場の量子論におけるHadamard状態を超局所解析を使って構成する方法を理解して応用する可能性を検討する。

次年度の研究費の使用計画

京都で開催される数学的統計力学の研究集会(京大でのSTAPHYSサテライト研究会など)国内の研修会に参加して必要な情報をえる。また名古屋大学の山上滋と研究連絡を行いボーズ粒子系の場合のentanglement entropyの応用も研究する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Kakutani dichotomy on free states.2012

    • 著者名/発表者名
      Taku Matsui, SHigeru Yamagami
    • 雑誌名

      Letters in Mathematical Physics

      巻: 102 ページ: 285–295

    • 査読あり

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公開日: 2014-07-24  

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