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2013 年度 実績報告書

マルチビームTHz帯ヘテロダイン検出器のためのQCレーザーの局部発振波応用

研究課題

研究課題/領域番号 24654048
研究機関大阪府立大学

研究代表者

前澤 裕之  大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (00377780)

キーワード宇宙物理学 / 地球惑星科学 / ヘテロダイン分光 / リモートセンシング / 超伝導デバイス / テラヘルツ / 量子カスケードデバイス
研究概要

1-4 THz帯には、銀河に漂う星間分子の高励起線や原子・イオンの微細構造線、地球惑星大気中のOHラジカルなどの重要な分子のスペクトル線が分布する。しかし、この波長域は、従来の高感度超伝導SISミクサが動作せず、電波天文の強みであるヘテロダイン分光手法が確立していない。本研究では、THz帯超伝導ホットエレクトロンボロメータミクサ(HEBM)の開発を推進し、量子カスケードレーザーのPLLシステムを開発する。
観測時間の限られるこの波長域の高効率観測には、受信機のマルチビーム化が鍵を握る。しかし現在、マルチビーム化に適した十分な出力をもつ連続発振(CW)の実用的な局部発振器が存在しない。そこで我々は、サブミリワットクラスの1-4THz帯CW量子カスケードレーザー(QCL)素子を局部発振波に応用することを提案してきた。その際、THz-QCLはヘテロダイン分光に利用できる高精度の周波数固定の手法が確立していないことが問題であった。そこで本研究ではHEBMを用いた以下の手法によるPLLシステムを開発した。1)シンセサイザー(SG)-1を原振とする逓倍型THz帯固体発振器1からの微弱な信号を基準信号(RF)とし、さらに逓倍型固体発振器2からのTHz帯信号を局部発振波(LO: QCLを想定)としてHEBMに照射する。2)ダウンコンバートした1 GHz帯1st-IF信号を冷却HEMTで増幅し、3)さらにSG-2の信号とミキシングして、100 MHz帯2nd-IF信号を取り出す。4)これとSG-3の100 MHzの信号を位相比較し、位相差に相当する電圧を固体発振器2の原振に帰還する。SGは、ルビジウム発振器を原振としたGPS同期型基準信号発生器からの高安定の10MHz信号により周波数制御しており、HEBMを用いた高精度なTHz波PLLシステムの開発に成功した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 超伝導ホットエレクトロンボロメータミクサ素子のモデルの開発2013

    • 著者名/発表者名
      前澤裕之
    • 学会等名
      日本天文学会秋季年会
    • 発表場所
      東北大学
    • 年月日
      20130910-20130912
  • [学会発表] Development of Superconducting Hot Electron Bolometer Mixer Detectors for Terahertz Band Astronomy and Planetary Atmospheric Research2013

    • 著者名/発表者名
      前澤裕之
    • 学会等名
      Asia-Pacific Radio Science Conference 2013
    • 発表場所
      台湾 台北市
    • 年月日
      20130903-20130907

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公開日: 2015-05-28  

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