本研究の研究の成果は大きく分けて二つあり、一つはAdS/CFT対応をエンタングルメント繰り込み(MERA)の立場で理解を深めたことであり、もう一つは、励起状態のエンタングルメント・エントロピーの基本的な性質を明らかにしたことである。前者の研究において、MERAの連続極限(cMERA)を考察することで、AdS/CFT対応における時空の計量がMERAの情報計量を関係づくことを発見した。また有限温度の場合にどのようにcMERAが実現できるのか初めて明らかにした。後者の研究では、励起状態のエンタングルメント・エントロピーが、励起が小さい時は、熱力学第一法則と同じ形をした法則に従うことを初めて見出した。
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