本研究では、J-PARCパルス中性子源で進められている中性子寿命測定実験で、中性子数の決定に用いている検出器内のヘリウムガスの同位体比(3He/4He比)を精確に求めることで中性子寿命の高精度決定に貢献するために、希ガス質量分析計を改良し、0.1%以下の確度・精度で3He/4He比を決定可能にすることを目指した。3He/4He比の測定値の揺らぎの要因を洗い出し、分析磁場の安定化とイオン光学の最適化を行った結果、3He/4He比の決定精度は0.08%となり、目標を達成できた。また国際原子力機関が作製した標準水試料中のトリチウム濃度を3He蓄積法により測定し、3He/4He比測定の確度を確認した。
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