バリオン間相互作用に関して現実的記述を与えるクォーク模型と同じ枠組みにおいて、ハイペロンまで含めたバリオン8重項による3体バリオン系のノルム核の固有値問題を解くことにより、各種3体バリオン系におけるクォーク・パウリ効果による斥力的効果の評価を行った。3核子系、ΛNN系においては目立ったクォーク・パウリ効果は見られなかったが、ΣNN(I=2)系、ΞΞΞ系においてはクォーク・パウリ効果による強い斥力的効果が見られることがわかった。このことは中性子星の内部構造において必要と考えられているフレイバーに依存しない斥力的効果に対して、クォーク・パウリ効果はその候補にはなりえないことを示唆している。
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