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2013 年度 実施状況報告書

電波観測技術を応用したニュートリノ質量絶対スケールの新しい測定法の開拓

研究課題

研究課題/領域番号 24654073
研究機関大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構

研究代表者

長谷川 雅也  大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教 (60435617)

キーワードニュートリノ
研究概要

本研究では、ニュートリノ質量の精密測定に向けて、トリチウムベータ崩壊からの電子のエネルギースペクトラムを0.1eV以下のエネルギー分解能で測定する為の、電波観測技術を応用した新しい手法を開発する事を目的としている。まずは、トリチウムと崩壊電子のエネルギーが近く、半減期の短いクリプトンを用いてエネルギー測定の原理検証を行なう事を目指している。
本年度は昨年度に引き続き、手法の原理検証を行う為のプロトタイプ検出器の設計及びコンポーネントの性能評価を行った。プロトタイプ検出器の設計ではソレノイド電磁石を用いた場合とネオジム磁石を用いた場合の両方について一様な磁場が期待できる領域を定義し、そこにガス状のクリプトンを送る為の配管や生成した電波を受けるアンテナの位置など決定し仕様を固めた。またこの仕様に基づきプロトタイプ検出器用のクライオスタット(真空槽)のメカニカルな設計の確認と熱設計を行った。
並行して行ったコンポーネントの基本特性では、電波を受けるホーンアンテナの受信効率の角度依存性や後段のアンプやケーブルでのパワーのロスの周波数依存性を測定した。また機械式冷凍機を用いて簡単な冷却試験を行い、電波検出に使用する低温アンプの77K付近での特性について(ノイズレベル、増幅率等)評価した。これらの結果をシミュレーションに反映させ、クリプトンからの崩壊電子に対してより現実的なエネルギー分解能の評価を現在行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

プロトタイプ検出器の製作については年度内に達成はしていないが、各コンポーネントの特性を実際に評価し、シミュレーションを用いた現実的なエネルギー分解能の評価はすでに完了しつつあり、プロトタイプ検出器を製作しデータ収集を開始すれば、すぐに比較が可能な状況になっている。原理検証が開始できるめどがたっているため、(2)おおむね順調に進展している、とした。

今後の研究の推進方策

本年度は研究計画最終年度であるため、プロトタイプ検出器の製作を早急に進め、それを用いた検出手法の原理検証の完了を目指す。最終的に評価すべき項目は「サイクロトロン放射の検出の確認」「エネルギー分解能」及び「エネルギースペクトルの推定」である。本研究で提案する手法は未開拓の手法の為、常にシミュレーションと結果を比較しながら、本検出法の深い理解を目指す。
原理検証が完了したら、次にニュートリノ質量探索に向けた実機製作の為のシステムのセットアップの検討を行う。検討は基本的にシミュレーションを用いて行う。アンテナの間隔、配置を換えながら、エネルギー分解能やバックグラウンド事象のレート等を考慮して、S/Nがより高くなるセットアップを考案する。最終的に期待される性能を系統誤差を含めて評価し、ニュートリノ質量測定実験に向けての基本開発事項を完了させるまでを目指す。

次年度の研究費の使用計画

プロトタイプの機械的及び熱的デザインの決定に時間を要し、今年度中のプロトタイプ検出器の製作が難しくなった為、製作の為の費用を次年度仕様額とした。
プロトタイプ検出器の製作に用いる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014 その他

すべて 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] ミリ波検出技術を応用した新しいニュートリノ質量探索実験の検討2014

    • 著者名/発表者名
      長谷川雅也
    • 学会等名
      ミリ波受信機ワークショップ
    • 発表場所
      茨城大学
    • 年月日
      20140303-20140304
  • [備考] KEK-CMBグループホームページ

    • URL

      cmb.kek.jp

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公開日: 2015-05-28  

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