研究課題/領域番号 |
24654074
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
片山 伸彦 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 教授 (50290854)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 重力レンズ |
研究実績の概要 |
平成26年度には、引き続き、すばる望遠鏡に取り付けられたハイパーシュプライムカム(HSC)カメラによる広く深い銀河のサーベイが行われた。これまで、iバンドで80平方度の観測データを得ることが出来た。我々は、平成24年度から開発してきた、シアー測定法のアルゴリズムを、HSCデータ解析パイプラインに組み込み、実際の観測データを使ってシアー測定の準備を行った。準備として、アルゴリズムで使用している、幾つかのパラメタを調節する必要があるが、観測パイプラインではモンテカルロデータ(答えのわかったデータ)が用意されておらず、現在、パラメタの調整法について研究中である。我々の方法は、比較的ノイズに敏感なため、画像の各位置でのノイズ量の評価を行う必要がある。そのため、周りで何も映っていないピクセルを同定する必要があり、その手法を検討中である。 昨年度に引き続き、研究者の参加している宇宙背景放射偏光観測実験POLARBEARのデータとHSCデータのクロスコリレーションを取るべく、すばる望遠鏡の平成26年後期、27年前期のオープンユース公募に応募したが、採択されなかった。POLARBEARの4つの観測域の一つ(RA12)は、元々HSCの広く深いサーベイ予定領域と重なっており、サーベイで観測したデータを使って先ずは解析してみるべきとの、評価を受けた。平成26年度サーベイでは、実際RA12のの8割程度の面積を観測しており、現在、クロスコリレーション観測の有意性を検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の目的は宇宙に存在するダークマター(DM)の分布を時間の関数として測定し、その変化から、宇宙の加速膨張のメカニズム、ダークエネルギー(DE)の本質に迫ることである。DMの分布を測定するためには重力レンズ効果を用いる。これは質量中を光が通って来ると光の経路が曲がる効果である。遠方の銀河の形が重力レンズ効果によって歪み、その歪みを測定することによって途中にある質量の分布が分かる。より遠くの銀河を調べればよち遠くの宇宙の質量分布が分かる。宇宙膨張はフリードマン方程式によって記述される。DMの分布を3次元的に再構成し、宇宙膨張の加速度が、時間の関数(速い=早い)となっているかを調べ、DEの性質に迫る。このためには大量のサーベイデータが必要である。当初の予定では、平成24年より、広く深いサーベイを開始し、これまでに150夜程度の観測データが得られているはずであったが、現在得られているのは10夜分ほどである。平成27年度にも30夜、サーベイの為の観測日が割り当てられているだけであり、本研究の進捗に大きな影響を及ぼしている。POLARBEAR観測データのクロスコリレーションも、もし有意な観測結果をえられれば、世界初となるはずであるが、サーベイ予定領域に含まれているということから、オープンユースのプロポーザルは採択して貰えず、H27年3月にようやく少しデータを取ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度には、平成27年3月に得られたPOLARBEAR観測領域のHSCデータを解析して、クロスコリレーションを観測したい。この提案には、複数の共同研究者がおり、皆の力を借りて進めて行く予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
すばる望遠鏡におけるHSCカメラによる広く深いサーベイが遅れており、データ解析に必要な観測データの収集が遅れた為
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年3月に収集されたHSCのデータを効率的に解析する為、研究者と打ち合わせ等を行う
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