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2012 年度 実施状況報告書

メッシュ構造タングステン電極を用いた放射線検出器の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24654075
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構

研究代表者

田中 秀治  大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (80311124)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード国際情報交換 ドイツ
研究概要

平成24年度においては一層でのタングステンメッシュ構造検出器の試作及び試験を中心に行った。最初に試験するメッシュは購入可能なワイヤー径16μm、開口率が約50%のものを想定しており、本試験ではNBCメッシュテック社製のタングステンメッシュを用いた。また構造体部分はギャップ形成部分をFR4、グランド電極部分をアルミ板としメッシュワイヤーによる増幅信号を1V/pCの増幅率のチャージアンプで読みだした。使用したガスはAr(50)+ C2H6(50)の混合ガスでガスギャップなどこれらのパラメータは実績のあるMWPC(Multi Wire Proportional Chamber)を基本として設定した。
24年度での試験ではメッシュ端部における沿面放電が発生するという問題が起こったために放電を回避するためのスタディに時間を大きく割く必要があった。これはメッシュ端部での電場がメッシュ中心に比べ相対的に大きくなることから予想はしていたがエポキシ樹脂による積極的な絶縁処理が必要となったために構造体の製作のやり直しなどが主なものである。またメッシュの開口率の違いによる検出器動作の違いについては25年度に改めて行うことにした。連続放電試験ではワイヤーの破断などによる動作不安定な状況は発生せず、メッシュ構造の有意さは確かめることができた。当年度の試験でのメッシュ構造検出器1台あたりの製作コストは5万円程度必要であったが台数を増やすと半分程度に収まりそうである。これは研究計画で期待したものよりは多少高いがそれでも他のMPGD装置にくらべ優位に安価に製造できることを確かめた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究実績の概要でも述べたが放電に対する追加処理が必要となり構造体の見直しが必要となったため。

今後の研究の推進方策

1層構造でのメッシュの構造確定後、メッシュ積層工法を試験する。また検出効率95%、高頻度動作(10kHz/cm2)を達成できた試作機に対しては宇宙線を用いた長期安定性試験を行う。さらに長期安定性の保証のため高頻度放射線源を用いた放電劣化試験(aging)や二次元X-Yステージ上に検出器を設置して線源でスキャンすることによる信号応答のUniformityのチェックも行う。特に放電事象が今回発生したため検出器応答の一様性の確認は最重要であると考えている。

次年度の研究費の使用計画

メッシュ検出器構造体については24年度準備したので主には信号読み出しのための設備(読み出し回路)、道具とその解析のための機器を揃える予定である。

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公開日: 2014-07-24  

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