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2013 年度 実施状況報告書

飛行時間を使ったニュートリノの質量絶対値に関する直接測定

研究課題

研究課題/領域番号 24654077
研究機関大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構

研究代表者

丸山 和純  大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (80375401)

キーワードニュートリノ
研究概要

平成25年度は実際にT2K実験のニュートリノ飛行時間の測定データを使うことによって、絶対質量の上限値を求めた。この結果は、現在T2Kコラボレーション内で正式な結果として論文にすべく現在努力中である。
また、測定自身の精度を向上すべく、(A)GPSシステムの改良、(B)GPSシステムとは独立な衛星双方向システムを使ったGPSシステムの較正、(C)ニュートリノビーム生成時間に関する精密な較正、の3つを行った。(A)により、GPSの東海-神岡間の時間同期の不定性は5ns程度となった。また、情報通信研究機構との共同研究により、(A)の不定性が5ns程度であることを示した。(C)によりビーム生成時間測定の不定性も5ns程度であることが示された。(A)、(B)、(C)の結果は現在個別に論文にまとめている最中である。
また、将来更にニュートリノ絶対質量測定の精度を上げるためにはどのような実験を考えれば良いかも検討中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究目的としてあげていた、(あ)現状のT2K実験飛行時間測定データからの質量測定、(い)現在ある飛行時間測定機器に対する理解の深化、アップグレード、(う)将来の飛行時間測定に関する改良の余地、新実験に関する考察 の3点について、上記のように良い進捗を示している。

今後の研究の推進方策

平成26年度は、今までの結果を論文にまとめる作業は粛々と進める一方、将来の飛行時間測定に関する改良の余地や改良した新実験、に関する考察、を重点的に行う。現在の実験仕様のうち、ニュートリノビームのエネルギー、ビーム生成時間の短時間化、時間測定の精度、基線の長さ等については、将来的に改良できる可能性がある。
実験については、これらの要素だけでなく事象数(統計誤差)も十分考慮すべき因子になるので、それらを包括的に考慮しながら最終的に検討に値する新実験を思いつけば論文としてまとめていきたい。

次年度の研究費の使用計画

物件費使用の残りとして99円が残った。
物件費の一部としてきちんと使用していきたい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] The T2K Neutrino Flux Prediction2013

    • 著者名/発表者名
      K.Abe, T.Maruyama, et al
    • 雑誌名

      Physical Review D

      巻: 87 ページ: 012001

    • DOI

      10.1103/PhysRevD.87.012001, 10.1103/PhysRevD.87.019902

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Evidence of Electron Neutrino Appearance in a Muon Neutrino Beam2013

    • 著者名/発表者名
      K.Abe, T.Maruyama, et al
    • 雑誌名

      Physical Review D

      巻: 88 No.3 ページ: 032002

    • DOI

      10.1103/PhysRevD.88.032002

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Measurement of Neutrino Oscillation Parameters from Muon Neutrino Disappearance with an Off-axis Beam2013

    • 著者名/発表者名
      K.Abe, T.Maruyama, et al
    • 雑誌名

      Physical Review Letter

      巻: 111 ページ: 211803

    • DOI

      10.1103/PhysRevLett.111.211803

    • 査読あり

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公開日: 2015-05-28  

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