研究成果の概要 |
物質の結晶構造は空間配列した原子とそれらの振動からなる。原子振動の集団現象はフォノン(格子振動)と呼ばれ、古くから一様な密度を持つ物質に対して調べられてきた。本研究では、質量勾配がある非一様物質や、環境により結晶構造が変化する物質でのフォノンに焦点を当てた。特に後者について希土類六硼化物GdB6, TbB6, DyB6を取り上げ、それらのフォノンが非常にゆっくりした原子振動であり、かつ低い温度で出現するとされていた結晶構造がかなり高温でもわずかながら存在するという非一様性を見出した。これは物質の電気伝導や熱伝導に影響を及ぼす可能性があると考えている。
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