屈折率が時間的に周期変動するような物質中を光が伝搬したとき、光の性質(波長、強度)が大きく変化する可能性がある(光学的フロケ状態)。特に光場の振動周期と屈折率の変化の周期が近いほど、その変化が顕著になると期待される。 本研究では、テラヘルツ周波数領域において、このような屈折率が時間変動するような物質の実現を目指した。そのために必要な実験系を構築し、同時に様々な物質の超高速光学応答を実験的に明らかにした。特に、白金薄膜においては典型的な貴金属である金よりも速い過渡応答を観測することに成功した。この速い応答時間は電子格子相互作用の強さによって説明可能であることが分かった。
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