研究課題
触媒開発は,半ば経験的な知見をもとにコンビナトリアルな探索法に頼らざるを得ず,ゴール予測が難しくセレンディビティを期待するしかなかった。申請者は本研究にて,強誘電体が持つワイドギャップ半導体特性とコヒーレントな分極揺らぎ現象に着目した,誘電体を母体とした革新的な触媒デザインスキームの構築を提案した。①合成手法開拓と②原理解明という2ブロックの研究実施項目を計画したが、①については貴金属、非貴金属ともに粒径制御されたナノ粒子を強誘電体表面に担持させる技術を確立することができた。関連する知財2件のうち、1件が登録査定され、もう1件がJST特許出願支援を受けることによりPCT出願されている。②については、メスバウアー分光によりFe/BaTiO3の常誘電相領域でのFe酸化物の価数異常を観測することができ、2本の論文が受理された。またPd/BaTiO3を用いた誘電体触媒の原理モデル化を試みた論文については現在Nature Communicationsにて査読中である。本研究の実施により,誘電性を利用した触媒設計が可能であることが実証できた。現在は具体的な社会貢献を視野に入れ,得られた成果を基盤とした新形態排ガス浄化触媒の開発を実施している。
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