今後の研究の推進方策 |
平成24年度の研究により、リチウムとニオブを含む層状オキシナイトライドにおいて新規超伝導体を発見した。同様のコンセプトによって、化学的性質が大きく異なる複数の金属を含むオキシナイトライドについての新規超伝導体探索に期待が持たれる。具体的な計画内容は以下の通り。 酸窒化ニオブ(Nbオキシナイトライド)への典型元素置換: 比較的高いTcを持つ岩塩型構造の酸窒化ニオブへ典型元素のCa, Srを添加して相生成および超伝導特性の影響を調べる。CaO, SrOも岩塩型構造をとることが知られていることから、岩塩型構造を基本としたCa-Nb, Sr-Nbオキシナイトライドの生成し、またCa, SrとNbの化学的性質の違いからCa, SrとNbが層状に規則化した構造となることが期待される。 Li-Mo系、Li-Ti系への拡張: 研究対象をニオブ以外の遷移金属に拡張し、一連の研究項目を実施する。Liと組み合わせる遷移金属元素として、熱的に安定なオキシナイトライドを数多く形成するMo, Tiに着目する。試料合成は、Li-Nb系と同様アンモニア窒化により酸化物を酸窒化物へ直接転換する。
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