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2013 年度 実績報告書

超流動ヘリウム回転流をつくる超伝導モーターの開発

研究課題

研究課題/領域番号 24654108
研究機関大阪市立大学

研究代表者

矢野 英雄  大阪市立大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (70231652)

キーワード流体力学 / 低温物性 / 超流体 / 量子渦
研究概要

本研究では、超流動ヘリウム中で動く超伝導モーターを開発する。最近の我々の研究から、粘性のない超流動ヘリウムでも、量子渦を付着させた物体を動かすことで超流動の流れをつくることがわかってきた。このアイデアをもとに、量子渦を付着させた物体を回転し、超流動ヘリウムに回転流を誘起するためのモーターを開発する。
1.超伝導モーターに、摩擦による発熱が小さく、また摩耗が少ないブラシレスモーターを採用した。モーター駆動には回転を検出するセンサーを必要とするが、回転制御が容易に行える利点がある。
2.モーター各部の低温特性。①ホールセンサーによる位置検出は、低温でホール電圧特性が著しく変化するため、使用できないことが分かった。②通常のベアリングはグリースが低温で固化するため、回転しない。しかし固体微粒子を利用する低温用ベアリングは、低温でも回転することを確認した。③モーターコイルのフェライトについて磁場-磁化測定を行い、室温では磁気ヒステリシスがほとんど無いが、低温ではヒステリシスの発生を認めた。
3.誘導起電圧を回転検出に用いる回転制御法を開発した。これにより温度を下げながらモーターを駆動したところ、-200℃(絶対温度 73K)まで回転制御に成功した。しかしこれ以下の温度では、モーターを駆動できなかった。
4.問題点と液体ヘリウム中で回転させるための解決策
モーターが回転する低温(-178℃)と室温での回転特性を比較し、低温では回転損失が発生していることが分かった。原因としてベアリングでの回転損失とフェライトでのヒステリシス損失が考えられる。駆動電流と回転損失の測定から、ベアリングでの損失は室温とほぼ変わらないのに対して、フェライトでの損失が低温で増加していることがわかった。低温でもヒステリシスの発生しないフェライトを選ぶことで、液体ヘリウム中でも回転損失の少ないモーターを実現することが可能となる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 2013

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 液体4He常流動と超流動におけるVibrating wireの抗力2014

    • 著者名/発表者名
      若狭洋平
    • 学会等名
      東京大学物性研究所短期研究会「スーパーマターが拓く新量子現象」
    • 発表場所
      東京大学物性研究所
    • 年月日
      20140417-20140419
  • [学会発表] 渦環放出から見る超流動4He中振動ワイヤーによる量子乱流の生成機構2014

    • 著者名/発表者名
      織田慎平,若狭洋平*,小原顕,矢野英雄,石川修六,畑徹
    • 学会等名
      日本物理学会第69回年次大会
    • 発表場所
      東海大学
    • 年月日
      20140327-20140330
  • [学会発表] Observation of vortex emissions from superfluid 4He turbulence at high temperatures2013

    • 著者名/発表者名
      S. Oda, Y. Wakasa, H. Kubo, K. Obara, H. Yano, O. Ishikawa, T. Hata
    • 学会等名
      International Conference on Quantum Fluids and Solids (QFS2013)
    • 発表場所
      Kunibiki Messe, Matue, Japan
    • 年月日
      20130801-20130806

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公開日: 2015-05-28  

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