本研究では、超流動ヘリウムで回転するモーター開発に向けて、以下の成果を得た。 ①我々は回転子分離型のブラシレスモーターを採用した。このモーターは回転子の位置検出器を必要とする。複数の回転位置検出器を検討し、駆動コイルの誘導電圧による検出法が適していることを示した。②我々は-203℃(絶対温度70K)までの低温でモーターの回転駆動に成功したが、これ以下の温度でモーターは作動しなかった。③低温で回転損失が発生し、その原因はコイル磁芯材料の磁気ヒステリシスにあることが分かった。④超流動ヘリウムにおいて動く物体が受ける抗力を調べ、100 mm/s以上の速度で超流動に渦が発生することがわかった。
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