研究課題/領域番号 |
24654117
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
齋藤 一弥 筑波大学, 数理物質系, 教授 (30195979)
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研究分担者 |
山村 泰久 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (80303337)
菱田 真史 筑波大学, 数理物質系, 助教 (70519058)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 定常状態熱力学 |
研究概要 |
本年度は実験装置の製作を計画した.定常熱流下の実験装置と定常ずり下の実験装置を検討したがいずれも完成には至らなかった.以下に詳述する. 定常ずり下の実験装置:ずりの発生に伴う振動,発熱,電気的ノイズ等を考慮して種々の実験装置の構想を検討したものの,適当な解決策を見つけることができなかった.定常熱流下の実験装置について,申請時に想定していなかった方式を発案できたので,当面,定常熱流下の実験に注力することとした. 定常熱流下の実験装置:超高感度測定を目指し,二つの方式を検討した.①当初の計画に従って水晶振動子を用い,相転移に伴う粘性変化を検出する方法については,市販の振動子を用いて液晶試料の相転移検出を試みた.粘性が大きいため,種々の改良を施したものの液晶相での発振には至らなかった.このため,液晶試料の粘度を低下させて実験を行うための物性科学的検討を行う一方,装置の改良を継続した.年度末になって,振動子および発振回路の改良法についてめどが立ったので.改良に取り組み次年度中に実験装置の試作を行う.②定常熱流の制御と超高感度測定の可能性を検討するため,ペルチェ素子を利用した超高感度DSCを試作した.市販のDSC装置の約1000倍の感度を達成した.この方法を利用することにより,水晶振動子を利用すること無く定常熱流下の実験装置を試作できるめども立った.この方式についても新年度から改良に取り組み,実験装置の試作を行う予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では,初年度で実験装置の試作が済む予定であったが,この段階に到達しなかった.予想以上に設計が困難であったためである.その一方で,申請時に考えていなかった方式を発案することができ,この方式を含めた二つの方式での実験装置の試作を並行して進めることができることになったので,「遅れている」ではなく「やや遅れている」と考えた.
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今後の研究の推進方策 |
実績欄で詳述した通り,定常熱流下の実験装置については,申請時に考えていなかった方式も含め,試作のめどが立った.できるだけ早期に実験装置を完成させ,物質を対象とした実験に取り組みたい.
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次年度の研究費の使用計画 |
該当無し
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