ゲルは,高分子からなるやわらかい弾性体であり,すべらせるとしばしばスティック-スリップ運動を起こす.ゲルのスティック-スリップ運動は,断層が一時的かつ局所的にすべりを起こす地震現象と類似した振る舞いを示すことから,地震現象のモデル系として用いられている.本研究では,実験条件によってスティック-スリップ運動の複雑性をコントロールできることを発見した.また,その場可視化を用いてスティック-スリップサイクルの中で巨大すべりがどのように“準備”されるかについて調べ,巨大すべり直前を特徴付ける物理量と実験パラメータとのスケーリング関係を見出した.
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